ブログ

2009年01月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

カテゴリー

アーカイブ

最近のエントリー

検索


Powered by
Movable Type 3.34

Daily life of pet

2005年08月08日

乗り物酔い(担当獣医師 ブログ管理人Dr.X)

「日本国民大移動」の季節ですね。
ペットたちもご主人様といっしょに大移動となっていることでしょう。
そのなかの、多くの子たちが「乗り物酔い」に悩まされています。
ネロドライブ.JPG

対策としては(主に犬ですが)
・ 時間に余裕があれば、ゆっくり時間を増やしながら乗り物(動きや、車内環境)に慣らしていく。
・ 食餌は出発の3時間前に、80%くらいの量で、
・ 慌ただしいですが、出発前にはキチット散歩。
・ 移動中は1時間に1回は休憩をしてください。もちろん、車内に置き去りはしないように、
・ 動物病院に相談し適当な薬を処方してもらう。
・ 無理なスケジュールは組まない。
・ 体調の悪い子は連れて行かない。
といったところでしょうか。

以下、Dr.Xのひとり言
 21世紀に生きる私たち人間は、交通手段というのを当たり前のごとく利用していますが、動物にとって自分が立っている(まあ、たいてい座っていますが)足場が動くということは、かなり異常事態です。そもそも、人以外の動物に「乗り物」なる概念は存在しませんからね。

 耳の奥の内耳に平衡感覚や加速度をつかさどっている迷路と呼ばれる器官があります。
内耳.JPG
学生時代「生物」で習いましたね。これは、人も犬も猫も持っています。これが無いと立てません。体が傾いた場合、この迷路が即座に感知して脳が体の姿勢を調整します。
迷路→脳→筋肉 迷路→脳→筋肉 迷路→脳→筋肉 ・・・・・・・・・
これを細かく、ひたすらやることで、姿勢(立っているときも、座っているときも)は保たれています。この連続的な反射は学習によって学ばれていきます。

人間でいえば赤ちゃんは、
ハイハイ →つたい立ち →たっち →よちよち歩き →最近この子は足がしっかりしてきたわねぇ →トットコ走り →末続慎吾
というふうに学習していくわけです。

 当然、学習はほとんど「動かない足場」で行なわれます。つまり、動物の持っている平衡感覚は「動かない足場バージョン」なわけです。
 この学習した平衡感覚で乗り物に乗って「揺れ」や「加速度」にさらされると、脳は「動かない足場バージョン」で姿勢の計算を試みますが、うまくいきません。さらに必死で計算しますが、よけいにうまくいきません。このパニック状態が「乗り物酔い」なわけです。計算を放棄したほうが赤ちゃんのように酔わないのですが、脳は律儀に計算をしてしまうのです。このへんの仕組みをなだめるのが「酔い止めの薬」です。

 漁師さんのように船の上を職場としている方の脳は「船の上バージョン」を学習(かなり辛い学習のようですが、、)しています。遠洋漁業の漁師さんは何ヶ月も船で過ごしたあと陸へあがると、動かない地面で脳が「船の上バージョン」で姿勢計算をしてしまい「陸(おか)酔い」なるものを経験されるそうです。警察犬なども車で移動した現場でゲロゲロでは仕事にならないので、「移動車バージョン」の学習をすべく過酷なトレーニングを積んでいるようです。

 みなさんのワンちゃんたちにトレーニングをする場合、無理なくユックリが基本となるでしょう。人間と同じく楽しく不安のない雰囲気作りも重要です。具体的には、
・ まず停車した車内で楽しく遊ぶ。
・ 不安がないなら、遊ぶ時間を日増しに増やす。
・ それでも大丈夫なら、遊んで楽しそうにしている間に数分間だけ車を動かしてみる。
・ それでも大丈夫なら、日増しに移動距離を増やしてみる。
といったふうに、日数をかけて徐々に慣らしていくことが大切でしょう。

 猫の場合は基本的には極力家においておくほうが望ましいです。悲しいですが猫は御主人がいなくても結構平気です。信頼できる人がいるなら、その人に餌とトイレをお願いして家においておくのがベストでしょう。僕の家の場合2泊くらいまでなら「餌やまもりをあっちこっち」「水たっぷりをあっちこっち」「臨時トイレを増設」で対応しています(犬は連れて行くか、ホテルに預けます)。どうしても移動するなら、移動前から、車内に積み込めるメイッパイ大きいサイズのゲージを普段の寝床や遊び場やトイレとして慣らしておいて、そのまま積み込むのがストレスが少なくていいのでは、、、、、?「家ごと移動作戦」です。

 他の小動物については、個々方法があると思います。げっ歯類や鳥類はホテルや移動にはよく対応してくれるように思いますが、体調不良が即緊急状態になりやすいので要注意です。

 楽しいサマーバケーションがお供の動物の体調不良でダイナシにならないよう、いろいろ工夫してみてください。わからないことは病院スタッフにたずねてくださいね。

投稿者 yoshidaac : 2005年08月08日 09:21

このページのトップへ

コメント