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近年、腫瘍の診断、治療に関しては飛躍的な進歩が見られます。
吉田動物病院でも、10年以上前には抗がん剤の治療などを積極的に行っていたわけではありません。
獣医師としても「抗癌剤」に対して「怖い」というイメージがあったのはたしかです。
しかし、抗癌剤の治療の進歩を詳しく調べていくと、吟味して使っていくことで、かなりの患者さんで有効な日々を確保できることがわかってきました。
それ以後当院では抗癌剤を含めて、腫瘍に対し積極的な診断と積極的な治療を心がけてきました。
実際、抗癌剤治療などを積極的に行ってみての感想は、副作用は限定的で血液検査などでしっかりモニターを行っていけば、思っていたほど苦痛を訴える患者さんは少ないというものでした。
では、吉田動物病院では腫瘍に対して具体的にどういう診断治療を行っているかを揚げていこうと思います。患者さんは状態が多岐にわたるので、個々の病状に応じて下記の診断治療を組み合わせていくことになります。
まずは「敵を知る」ことです
出来るだけ苦痛なく、必要最小限の効果的な治療をするため
検査を行い可能な限り多くの状況を知ることが必要です。
緊急の場合は治療と並行しての検査となる場合も多くあります
・できものが在るのか無いのか
・できものの状態は(大きさ、数、形、等々)
・腫瘍なのか、腫瘍でないのか
・腫瘍であればどんな腫瘍なのか
・転移は確認できるか
◎問診
よくその子をご存知の飼い主様のお話は病気の状態を知るのに非常に重要です
◎視診、聴診、触診など
獣医師の五感をフルに使った診察は非常に重要と考えています
◎画像診断
多くの画像診断機器が開発され、最も進歩が目覚ましい分野です
[レントゲン]
通常のフイルム撮影、造影剤を飲んでいただくこともあります
[エコー検査]
超音波で主に心臓、腹腔内臓器の状況などを観察します
[フレキシブル内視鏡]
いわゆる胃カメラです。
動物のサイズにもよりますが、
喉~十二指腸の内側、直腸~大腸の内側、
鼻腔の後ろ側
気管、気管支の内側
を見ることができます
麻酔が必要となります
[硬性内視鏡]
動物のサイズによりますが、
腹腔内、胸腔、鼻腔、尿道、膀胱などを見ることができます
麻酔が必要となります
[CT検査]
X線により、体の断層を撮影します
前後の構造物が重なって見える通常のレントゲン撮影より極めて細かな状況が判断できます。
腫瘍がどこに、どういう状態で存在するのか、転移はあるのかをより細かく判断します。
麻酔が必要となります
多くの症例で血管内造影剤を注射します
[MRI検査]
磁気を使って、体の断層を撮影します
特に脳、脊髄など神経系に関して非常に有用な画像を得ることができます
当院にはMRI施設がありませんので、該当施設へご紹介の上の検査となります。
◎血液検査(尿検査)
主に、腫瘍に侵された動物の状態や、治療に対する反応を見るために実施されます
[血液一般検査・生化学検査]
主に動物の体調のチェック、麻酔前後の全身状態のチェック、抗がん剤治療などの副作用のチェックを行います。また幾つかの検査の組み合わせで、どこの臓器が侵されているのかを絞り込みます
[腫瘍マーカー検査]
まだまだ実用性は低いですが動物でもいくつかの検査が提唱されています。
◎生体病理検査
腫瘍がどういう性格のものかを判断するにはぜひとも必要な検査です。
[細胞診]
注射針などを使って、腫瘤の細胞を採取し、積極的な治療が必要なものかを判断します
[生体組織検査]
主に麻酔をかけて、腫瘤の一部、もしくは全部を切除することによって、腫瘍であるのかどうか、どんな種類の腫瘍か、を判断します。
腫瘍の治療にあたり最も重要な検査になります。
その他、稀に行われるいくつかの検査法がありますが、上記の検査が通常多く行われる方法になります
これらの検査によって
・腫瘍なのか、他の病気なのか?
・どんな種類の腫瘍なのか?
・どこか他の部位にも腫瘍ができるのか?もしくはできているのか?
・どのような治療法が可能なのか?
・治療しなければ、どのくらい生きることができるのか?
・治療によって、どのような種類の余命があるのか?
を判断します。
その上で飼い主様としっかりお話をさせていただき、治療方針を決めていきます。
もちろん治療の経過によっては、検査やご相談を重ねて治療方針を修正していきます。
次回は治療についてお話したいと思います。
投稿者 yoshidaac : 2009年02月08日 10:36
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