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興味深い本を見つけました
「病院の言葉をわかりやすく」(勁草書房)
国立国語研究所「病院の言葉」委員会[編著]
です
以前にもこのブログで診察室での獣医師の言葉は「伝わる」ことが大切だ!みたいな話をしたことがありますが、
ヒトの医療現場でも、というかヒトの医療現場のほうがはるかに先行してると思いますが、こういうことは真剣に論議されているのだなと感銘をうけています。
だいたい国立国語研究所なるものの存在を意識したこともなかったですし、こういうところで地道に活動されている方々がいらっしゃることにも感銘しました
今、「必殺仕分け人」と闘っている独立行政法人ってやつです。
ま、枝葉の話はさておいて、
内容の話です。
この本は獣医療ではなくヒトの医療について書かれた本ですが、非常に参考になるところが多くありました。
「病院の言葉」は大きく2つに分けられると思います。
つまり
「医療の専門家どうしで使う言葉」と
「医療の専門家と医療の素人である患者側の人との間で使う言葉」
です。
この後者について、言葉というより単語について徹底的に掘り下げた結果の一部を解説しているのがこの本です。
もちょっと、わかりやすく言うと、
医者から患者へ
どの「単語の意味」が伝わっていなくて
どう伝わっていないのか
で、どうすればいいのか
てなことを書いてある本です。
で、その単語をどうやって引っ張りだしてきはったかというと、
・まずは使われている頻度が高く患者さん側に理解していただくのが重要な医療単語を探し(約20000語)
・その中から医療関係者への調査で医療の素人さんに理解してもらうのが難しいと感じている医療単語に絞り込み(約2000語)
・さらに研究所内で絞り込みを行い(100語)
・この100語を医療の素人さんに対して調査することで
最終的に検討が必要な57語(この本で解説してある)が選ばれています。
あくなき研究魂を感じますね。
面白いと思ったのは
その最後の「素人さん調査」で、個々の単語について
『認知率』(その単語聞いたことあるわぁ~って人が何%いるか)
『理解率』(その単語の意味をきちんと分かってはる人が何%いるか)
を出して、
伝わっていない単語を
「その単語は上手に使わないと、患者さんが『意味わからん』になっちゃうかもよ」
って単語と
「その単語は上手に使わないと、患者さんがゼ~ンゼン違うふうに思いこんじゃうよ」
って単語にわけて解説してはるとこです。
その他にも重要なグループの単語もありますが、
僕は主にこの2つが「なるほどな」と思うわけです。
特に後者の「よく知ってる単語やけど、医療関係者以外は全然違う意味に考えやすい単語」
数字で言うと『認知率』は高いけど、『理解率』が低い単語は危険やなと思いました。
具体的な例を一つ、
********************
~~ショック~~
認知率94.4%
理解率43.4%
『ショック』という言葉は日常でよく使われます。
日常では「単にビックリした状態」や「急に衝撃をうけた状態」や「精神的な急激な落ち込み」という意味で普通に使われていますが、医療における『ショック』は簡単に説明すると、
血液の循環がうまくいかず、脳や全身の臓器に酸素がとどきにくくなり、生命にかかわる極めて危険な状態
という意味で使われます。患者さんの家族に単に「ショック状態にあります」と言っても、大事な意味が伝わらない危険性が高いのです。必ず生命の危険があることを伝えないといけません。
********************
もちろん、この本はヒトの医療について書かれたもので、57の単語の中には「介護老人保健施設」や「グループホーム」などまず獣医療とは関係しない単語や、獣医療では別の単語を使うことが通常な単語、獣医療では使用頻度の極めて低い単語も含まれています。
それでも「考え方」は非常に参考になりますし、実際僕自身も
「そんなに理解率が低いんやぁ、、、」
と『目からうろこ』の単語もありました。
また、ここに掲載されていない獣医療独特の単語や獣医療で使用頻度の高い単語についても、一度ひとつひとつ疑ってみないといけないなと思うのです。
………○○………○○………○○…….
投稿者 yoshidaac : 2010年04月22日 10:56
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